育成就労実施者になるには?

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育成就労実施者になるには|要件と外国人雇用までの流れ 完全解説
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育成就労制度 解説

育成就労実施者になるには? 要件・体制整備・外国人雇用までの
流れを完全解説

育成就労外国人を受け入れるには、特別な許可は不要です。しかし欠格事由への非該当・3役職の選任・ 育成就労計画の認定取得など、一定の要件と手続きを満たす必要があります。 本記事では運用要領(令和8年4月版)にもとづき、実施者になるための全ステップをわかりやすく解説します。

📅 令和8年4月版(育成就労制度 運用要領準拠) 📄 根拠:法第9条・第10条、規則第15条・第16条・第19条

育成就労実施者になるための全ステップ

育成就労実施者は許可制ではなく届出制です。ただし、育成就労計画の認定を受けるために以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • STEP 1欠格事由に該当しないこと(法第10条)
  • STEP 23役職の選任(育成就労責任者・指導員・生活相談員)
  • STEP 3その他の体制整備(健康管理・講習施設・労災保険等)
  • STEP 4受入れ人数枠の確認
  • STEP 5育成就労計画の認定申請・外国人雇用開始
📌
育成就労実施者とは
法第2条第7号〜第9号

育成就労実施者とは、認定育成就労計画にもとづいて育成就労外国人に育成就労を行わせる個人または法人のことです。企業・個人事業主を問わず、業種の制限はありません(育成就労産業分野に限る)。

区分内容監理支援機関
単独型育成就労実施者の外国にある事業所から職員を受け入れて育成就労を行わせる形態不要(ただし自社で監査体制を構築)
監理型育成就労監理支援機関の監理支援を受けながら育成就労を行わせる形態(一般的な形態)必要
許可は不要です。育成就労実施者になるために主務大臣の許可を取得する必要はありません。ただし外国人を受け入れる際には外国人ごとの育成就労計画の認定(OTIT)が必要です。
S1
欠格事由に該当しないこと
法第10条 ※認定申請が却下されます

以下のいずれかに該当する者は育成就労計画の認定を受けることができません。役員に該当者がいる法人も同様です。

刑罰歴
出入国・労働関係法令違反で罰金刑を受けてから5年を経過しない者(社会保険・労働保険各法の使用者義務違反も含む)
処分歴
育成就労計画の認定を取り消されてから5年を経過しない者(処分通知後に取り消しを回避する目的で自主廃止した者も含む)
不正行為
出入国・労働法令に関し不正または著しく不当な行為をした日から5年を経過しない
役員適格性
役員に精神の機能障害により責務を果たせない者、または破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者がいる場合
法定代理人が欠格事由に該当する未成年の役員がいる場合も含む
暴力団
役員に暴力団員等がいる場合、または暴力団員等が事業活動を支配している場合
人権侵害
実施者またはその役職員が、過去5年以内に育成就労外国人の人権を著しく侵害する行為(暴言・暴行・ハラスメント等)を行ったことがある
偽変造文書
実施者またはその役職員が、過去5年以内に不正目的での偽造・変造文書の行使等を行ったことがある
二重契約
育成就労外国人との間で育成就労計画と反する内容の取決め(二重契約)をしている場合
例:計画の労働条件と異なる賃金の取決め、出来高払制による時間外賃金の取決めなど
⚠️
「役員」の範囲は形式上の取締役等に限らず、相談役・顧問等の名称にかかわらず実態上同等以上の支配力を有する者もすべて含まれます。
S2
3役職の選任(事業所ごと)
法第9条第1項第6号 / 規則第15条・第16条

育成就労を行わせる事業所ごとに、以下の3名を選任しなければなりません。各役職の要件を満たした上で兼務は可能です。

育成就労責任者
常勤の役員または職員必須
過去3年以内の責任者講習修了必須
指導員・相談員等を監督できる立場にある者必須
欠格事由非該当・未成年者不可必須
事業所への所属は不要(法人全体で1名でも可)
育成就労指導員
当該事業所に所属する常勤の役職員必須
従事させる業務で5年以上の技能経験必須
過去3年以内の指導員講習修了必須
欠格事由非該当・未成年者不可必須
技能検定2級相当以上の有資格者が望ましい推奨
生活相談員
当該事業所に所属する常勤の役職員必須
過去3年以内の相談員講習修了必須
欠格事由非該当・未成年者不可必須
外国人の生活面の相談・助言に対応できる者

3役職の要件比較

要件
育成就労
責任者
育成就労
指導員
生活
相談員
欠格事由非該当
○ 必須
○ 必須
○ 必須
未成年者不可
✗ 不可
✗ 不可
✗ 不可
常勤性
○ 必須
○ 必須
○ 必須
講習修了(3年以内)
○ 必須
○ 必須
○ 必須
監督・指導能力
○ 必須
△ 推奨
対象事業所への所属
— 不要
○ 必須
○ 必須
5年以上の技能経験
○ 必須
ℹ️
経過措置:当分の間、技能実習制度における養成講習(監理責任者等講習・技能実習指導員講習・生活指導員講習)の修了者は、育成就労の各講習修了者とみなされます。
S3
その他の体制整備
規則第15条各号
項目内容
健康・生活状況の把握 定期健康診断・定期面談等を通じて外国人の健康状況・生活状況を把握するための措置を講じること
入国後講習の施設確保 机と椅子が整えられた学習に適した施設を確保すること。賃借・オンライン実施も可。単独型は実施者が、監理型は監理支援機関が確保
労災保険の加入 育成就労実施者の事業に係る労働者災害補償保険の保険関係成立の届出を行うこと。農業等の暫定任意適用事業の場合は民間任意保険でも可
帰国旅費の負担 育成就労終了後に外国人が帰国する場合、旅費を全額負担すること。育成就労外国人に負担させることは不可
保証金・違約金の禁止 外国人等から保証金を徴収する契約・契約不履行についての違約金を定める契約をしないこと
人権侵害行為の確認 暴行・脅迫・自由の制限等の人権侵害行為が行われていないことを定期的に確認すること
行方不明者の防止 過去1年以内に実施者の責めに帰すべき事由により育成就労外国人の行方不明者を発生させていないこと
非自発的離職者への対応 実施者の都合による育成就労計画の中途終了があった場合、同一業務区分の受入れに制限がかかる場合がある
分野別協議会への加入 従事させる産業分野の分野別協議会に加入していること(または代替措置を講じていること)
社会保険・税の遵守 労働・社会保険・租税関係法令を遵守していること。特に健康保険・厚生年金・雇用保険への加入義務がある
S4
受入れ可能な人数枠
規則第19条 ※常勤職員の総数(法人全体)で算出

育成就労外国人の受入れ人数には上限があります。常勤職員数は法人全体の数(外国にある事業所の職員・育成就労外国人を除く)をもとに算出します。

単独型育成就労の人数枠

単独型 基本・優良の人数枠
通常の実施者(常勤職員20人以上必要)
常勤職員総数 × 3/20
通常の実施者(常勤職員20人未満)
受入れ不可(0人)
優良実施者(常勤職員10人以上必要)
常勤職員総数 × 3/10
優良実施者(常勤職員10人未満)
受入れ不可(0人)

監理型育成就労の人数枠(基本)

常勤職員の総数受入れ可能人数(基本)優良実施者の場合
301人以上常勤職員総数 × 3/20常勤職員総数 × 3/10
201〜300人45人90人
101〜200人30人60人
51〜100人18人36人
41〜50人15人30人
31〜40人12人24人
3〜30人9人18人
2人6人7人
1人3人4人
ℹ️
技能実習生を受け入れている場合、1号・2号技能実習生の人数は育成就労の人数枠に含めて計算します(3号技能実習生は除く)。常勤職員数には育成就労外国人・技能実習生を含めません。
⚠️
優良実施者の認定を受けるには、技能・日本語能力の修得実績、外国人の待遇、法令遵守状況、行方不明者の発生状況、保護・支援体制、地域共生への取組など6つの観点での総合評価が必要です。
S5
外国人を雇用するまでの流れ
監理型育成就労(一般的な形態)の場合
1
監理支援機関を選定・監理支援契約を締結
許可を取得した監理支援機関を選定し、監理支援に関する契約を締結します。監理支援機関は受け入れる産業分野・業務区分の監理支援を行える機関であることが必要です。
2
分野別協議会への加入
受け入れる産業分野に対応する分野別協議会に加入します。業種によって担当省庁や加入手続きが異なります。
3
候補者の選定・雇用契約の締結と直接説明
送出機関を通じて候補者を選定し、雇用契約を締結。業務内容・労働条件・転籍制限期間等を対面またはオンラインのリアルタイム方式で直接説明することが義務付けられています(録画視聴・電話のみは不可)。
4
育成就労計画の作成(監理支援機関の指導のもと)
外国人ごとに育成就労計画(省令様式第1号)を作成します。技能目標・日本語目標・業務内容・入国後講習・待遇等を記載。正本1通・副本1通を提出します。
5
OTITへ育成就労計画の認定申請
機構(OTIT)地方事務所・支所の認定課へ申請書と添付書類一式を提出。手数料は1件あたり6,100円(機構口座への振込)。施行前(令和9年4月前)でも事前申請が可能(育成就労開始予定日の7〜5か月前が目安)。
6
認定通知書の受領
認定基準に適合していることが確認されると認定通知書が交付されます。認定後の内容変更には変更認定または軽微変更届出の手続きが必要です。
7
地方出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請
認定通知書の副本を添えて、外国人の在留資格認定証明書の交付を申請します。発行後、外国人に送付してビザ申請の手続きを行います。
8
来日・入国後講習の実施
外国人が来日後、業務に就く前に入国後講習を実施(監理型は全4科目を業務開始前に完了)。総時間数は日本語能力に応じて220〜320時間。
育成就労開始・OTITへ実施の届出
育成就労を開始したら遅滞なく機構の地方事務所・支所の認定課に育成就労実施の届出(法第17条)を行います。毎年4月1日〜5月31日に実施状況報告の提出義務もあります。
育成就労開始後の主な義務: 毎年1回の実施状況報告(4月〜5月)、育成就労開始から1年以内に中間試験(基礎級技能検定・A1相当日本語試験)を受験させること、3年間でA2相当の日本語講習100時間以上の機会提供、帳簿書類の作成・保存。
📋
育成就労実施者の主な届出・報告一覧
法第17条・第19条・第20条・第21条
届出・報告の種類提出先期限・頻度
育成就労実施の届出機構 地方事務所・支所 認定課育成就労開始後遅滞なく
実施状況報告機構 地方事務所・支所 認定課毎年4月1日〜5月31日
育成就労計画の変更認定申請機構 地方事務所・支所 認定課変更前に申請
軽微変更届出機構 地方事務所・支所 認定課変更事由発生後1か月以内
育成就労実施困難時届出機構 地方事務所・支所 認定課事由発生後遅滞なく
変更希望の申出受理届出機構 地方事務所・支所 援助担当窓口申出受理後遅滞なく
帳簿書類の備付け事業所に保存育成就労終了等から3年間