リサイクル業界での中国語顧客対応業務に対する
技術・人文知識・国際業務 在留資格認定証明書の交付が認められた事例
認定
本件は、国内リサイクル事業を展開する企業が、中国語を話す顧客(企業・個人)との取引拡大を目的として、中国語ネイティブの外国人人材を雇用するため、当事務所に在留資格認定証明書交付申請の代理を依頼されたケースです。
申請人は中国の大学で商学・国際ビジネスを専攻し、卒業後は中国国内でBtoB営業・顧客折衝の実務経験を持つ方でした。就労後の業務内容は、中国語圏の顧客への営業・問合せ対応・見積もり折衝・契約書管理など、語学力を活かした国際業務に特化したものでした。
2026年4月より、出入国在留管理庁による技術・人文知識・国際業務の審査基準が厳格化されました。特に「顧客対応をメインとする業務」においては、従来以上に業務の専門性・実質性を求める傾向が強まっています。
| 顧客対応の種別 | 日本語能力要件 | 備考 |
|---|---|---|
| 日本人・日本語話者が主な顧客の場合 | CEFR B2 相当以上 (セファール B2) |
日本語でのコミュニケーション能力の客観的証明が必須 |
| 外国語話者(例:中国語話者)が主な顧客の場合 | 日本語証明 不要 | ただし、その業務が実際に行われることの客観的立証が必要 |
本件の雇用予定者は中国語話者の顧客を専属で担当するため、CEFR B2 の日本語証明は不要でした。しかし厳格化の影響により、「実際に中国語顧客対応業務に従事するのか」という点を、客観的かつ説得力のある証拠で立証しなければなりません。審査官は「肉体労働に従事させるのではないか」という疑義を持って審査します。
リサイクル業界は、廃品回収・解体・運搬といった現場作業(肉体労働)を伴う業務が多い業種です。そのため審査官は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で申請していても、実態は現場作業に従事させるのではないかと疑念を持ちやすい傾向があります。
2026年4月以降の厳格化により、この疑念を払拭するための立証責任はより重くなっています。申請内容が事実であったとしても、適切な客観的証拠を提示しなければ不許可となるリスクが高まっています。
出入国在留管理庁の審査は書面審査が基本です。実際に中国語顧客対応業務を行う予定であっても、その実態を裏付ける客観的資料が不足していれば、不許可処分となります。「事実だから大丈夫」という考えは通用しません。
本件では、以下の複合的なアプローチにより、中国語顧客対応業務の実質性・専門性を立証しました。
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1中国語話者顧客リストの提出 取引実績のある中国語話者顧客(企業・個人)の一覧を作成し、取引量・取引頻度・取引金額の実績を数値で示しました。これにより「中国語顧客が実際に存在すること」を定量的に立証しました。
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2中国語を使用したメール・FAX・商談記録の提出 過去の取引において中国語で作成・送受信されたメールや見積書・注文書の写しを証拠として提出。日本語では対応が困難であることを裏付けました。
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3業務委託・採用理由の詳細説明書(理由書)の作成 単なる雇用理由ではなく、「なぜ中国語話者の専任スタッフが必要か」「他の日本人スタッフでは代替できないのか」を論理的に記述した詳細理由書を作成しました。
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4業務フロー図・担当業務一覧の作成 申請人が担当する業務をフロー図と一覧表で視覚化し、現場作業(肉体労働)との明確な区分を示しました。肉体労働に従事しないことを、業務設計の段階から審査官に示す工夫をしました。
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5雇用会社の中国語対応ビジネス展開計画書の添付 会社としての中国語圏マーケット開拓の戦略・計画を記載した書類を作成し、申請人の役割が事業計画上不可欠であることを示しました。
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6申請人の中国語スキル・商談実績の証明 申請人の中国語能力証明(HSK・翻訳実績等)および過去の顧客折衝実績を具体的数値とともに記載し、専門性の高さをアピールしました。
2026年6月 — 在留資格認定証明書 交付許可
日本語能力証明なし・リサイクル業界という困難な条件下で、中国語顧客対応業務の実質性が認められ、許可が交付されました。
2026年4月以降の厳格化により、業務内容の実質性立証の重要度は格段に上がっています。本件のように、業種や業務内容によっては日本語能力証明が不要になるケースも存在します。しかし「不要であること」を理由に立証を手抜きすると不許可となります。重要なのは、「なぜその人材が必要か」「その業務は本当に専門的か」を、書類で積み上げ論理的に示すことです。
「正直、リサイクル業という業種柄、ビザ申請が通るか不安でした。日本語の証明も用意できない状況でしたし、本当に許可が出るのか半信半疑でした。それでも先生に全面的にお任せしたところ、必要な書類を丁寧に整えてくださり、無事に許可が下りました。採用予定の中国語スタッフに早く来日してもらえることになり、本当に助かりました。ありがとうございました。」
この事例は、在留資格申請において「要件を満たしているかどうか」と「許可が下りるかどうか」は別問題であることを示しています。2026年4月以降、審査は書面の説得力で勝負する時代に入りました。
特にリサイクル・建設・製造などの現場作業を伴う業種では、「本当に専門的業務に従事するのか」という疑義を先読みし、それを論理的・客観的に反証する書類戦略が不可欠です。当事務所では、業種ごとの審査傾向を踏まえたオーダーメイドの申請サポートを提供しています。
就労ビザの申請でお困りの企業様・個人様は、ぜひ一度ご相談ください。
なお、2027年4月からは、資源循環分野において、一定の条件を満たす企業は特定技能外国人を雇用することができるようになる予定です。これにより、廃品回収・仕分け・運搬といった現場作業は「特定技能」、営業・顧客対応・契約管理などの頭脳作業は「技術・人文知識・国際業務」で雇用するという、業務内容に応じた在留資格の使い分けが一層進んでいくことが予想されます。リサイクル業界における外国人雇用のあり方は、制度の整備とともに大きく変わっていくでしょう。


